
季節の庭だよりでは、シーズン毎のお手入れのタイミングや注意点をお知らせしたり、植物の不思議なチカラを活用したお庭の楽しみ方をご紹介するなど、健康なお庭を広めるため、さまざまな情報を発信しています。 月々のタイムリーな情報をどんどん更新していきますので、ぜひ健康なお庭づくりにお役立てください!
だんだんと暖かくなるこの時期は、多くの植物の根が冬の休眠期から目を覚まし、開花や開葉に向けて徐々に活動を始める季節です。 その今がまさに庭木・植木の植替えや植付けのベストシーズン! そこで今回は、庭木・植木の移植(植替え)・植樹(植栽・植付け)について、知っておいて欲しい大切なポイントをご紹介します。 これからお庭をつくる方、植えたい樹木がある方、お庭の模様替えを考えている方、鉢植え・観葉植物を育てている方は、是非参考にしてみてください。
移植・植樹をするのは、どんな時?
植樹で多いのは、新築のお家です。 お庭だけでなく玄関先のシンボルツリーや生垣もありますからね。 お子様が生まれた記念に植樹するのも人気ですよ。 他にも、空いているスペースにお気に入りの木を植樹したり、枯れてしまった木を抜いて新しく元気な木を植樹したり、総入替えでお庭のイメージを一新する時など、いろんなシーンがあります。 韓国では、4月5日を「植木日(シンモギル)」といい、木を植える日としているらしいですよ。
移植で多いのは、やはりお庭のリフォーム時でしょうか。 長年連れ添った木ですから、お庭が新しくなっても大切にしたいと思う方が多いようです。 他にも、お家の日当たりを良くするために移植したり、愛着ある木を引越し先へ移植したり、鉢植えから地植えに移したりなど、こちらも様々なシーンがあります。
また、じつは移植が必要でありながら、残念なことに忘れられがちな身近な植物があるんです。 それは…
観葉植物・鉢植えの移植を忘れている方、意外と多いんです!
突然ですが、あなたのお家に2年以上同じ植木鉢で育てている植木や観葉植物はありませんか? もしあれば、一度鉢裏を覗いてみてください。 鉢の底穴から根がはみ出していませんか? それは鉢の中が根でいっぱいになり「根詰まり」を起こしていて移植が必要なサインです。 その他にも、水をあげた時、以前はすぐ土の中に吸収されたのに今は水が外に弾かれたり、溜まった水がなかなか吸収されないという場合も「根詰まり」が考えられます。 この場合、水遣りのくり返しで土が細かく崩れることによって固まり、排水性が悪くなったとも考えられますが、どちらにしてもこのような通気性・排水性の悪い状態は絶対に良くありません。
そのまま放置してしまうと酸素・排水・養分不足で衰弱や落葉などが生じて、枯れてしまいますので植替えが必要です。 もし、どうしても鉢を大きくできない場合は、根を切り詰めて同時に枝も剪定し、新しい土を足して同じ鉢に戻す方法もあります。
とはいえ、これらの移植(植替え)、また、植樹(植付け)がいつでも可能という訳ではありません。 樹木への負担を減らすため、適期や前準備がとても重要になってきます。
庭木・植木は根っこと葉っぱのバランスで生きている
適期や前準備についてご紹介する前に、まず樹木の生命の仕組みをお話しましょう。
樹木の根の先端部には根毛という細く密集した根っこがあり、その根毛から水分・養分等を吸収して→太根→幹→枝→葉へ、そして葉の気孔から水分を大気へ蒸散します。 また、葉の中では根から送られてきた水分・養分と太陽で光合成を行い、植物の細胞の素となるエネルギーを作り出して→枝→幹→太根→根毛へ送られます。 そして根毛は葉から送られてきたエネルギーを使ってどんどん細胞を増やし、樹木の成長に合わせて必要なだけ土中に根っこを広げていきます。 このサイクルの継続によって樹木は生きているのです。
しかし、樹木を植樹する時には、新植・移植どちらの場合にも大切な根を切り取って移し替える作業となるため、一時的に大きなダメージを与えることになります。 つまり、いかに少ないダメージで移植・植樹できるかが、後の樹木生命にとってとても大切になってくるのです。
移植・植樹は、樹木のダメージが少なく回復力の旺盛な時期が適期
いかに少ないダメージで移植・植樹できるか、そのひとつが樹木ごとの適期を守るということです。 基本的に樹木を移動するのは、開葉前の休眠期が適期です。 なぜなら、樹木からの水分の蒸散が少なく、植樹後の根の活動が活発で新根がすぐに発生する状態になるからです。 庭に植えてから年数の経っていない常緑樹の移植や、出荷前に根鉢の中に細根をたくさん出させてある造園用の根まき養生済みの樹木を植樹する場合、基本的にはいつでもできます。 しかし、植樹後の根の活着を考えると、やはり適期を考慮した方が樹木にとってより良いといえるでしょう。 また、いづれの場合も絶対に避けなくてはいけない時期もありますので、合わせてご紹介しましょう。
種類 | 移植・植樹適期の目安 |
---|---|
落葉広葉樹 | 11月落葉後〜4月新芽が出る直前(春が最適期) |
常緑広葉樹 | 3月下旬〜4月下旬(最適期)、 6月中旬〜7月中旬、 9月中旬〜10月中旬 |
常緑針葉樹 | 2月中旬〜4月新芽が出る直前(最適期)、 6月中旬〜7月中旬、 9月中旬〜12月中旬 |
観葉植物 | 観葉植物の植替え最適期は、5月〜6月の気温が20度前後に安定した頃。 春頃の植替えは茎や根を大胆に切り戻しができ、大きくなりすぎた株を小さく戻してあげると同時に、切った枝葉を利用して増やしたりもできる。 大きく育てたいなら、根を崩さずに一回り大きな鉢に植替える方法がおすすめ。 |
【絶対に避けなくてはいけない時期】
●開葉直後(葉が柔らかく、寒さや乾燥に対する耐性がないので、衰弱しやすく、枯死しやすい)
●梅雨の間(非常に柔軟な状態になっていて株を痛めやすい)
●7月中旬〜8月(枝葉からの蒸散が旺盛で、植付け直後の根の量では水分不足が生じ、枯死しやすい)
移植の重要な前準備
植付けて5年ぐらい経つと、木は当然養分を求めて根を張り巡らしています。 年月の経過が長いほど移植は簡単にはできないのです。 そこで「根回し」という作業を、移植する前に行います。 その「根回し」とは、移植の前準備のことで、根本近くの根を切断することによって根毛の発生を促し、移植後の活着や生育を良くするために移植に耐えられる樹木にしておく、重要な作業のことです。 根回しの適期は春の萌芽前で、新芽が出る前というのは樹木の生長が著しく、根毛の発生を促すからです。 また、遅くとも秋に入る前に行い、春に根回しを行った樹木の移植の時期は、落葉樹がその年の秋か翌年で、常緑樹が翌年の春か梅雨期を目安に移植します。 こうして長年大切に育てられてきた木を、移植した後も元気に育つように、慎重に作業を行うのです。
どうですか? 少し難しい話になってしまいましたが、樹木の生命の仕組みを知れば、移植や植樹が樹木にとっては、物を移動する引越しのように単純な作業ではないということが理解できますね。 人間によって植えられ、けな気に、そして力強く生きている植木や庭木たちをこれからもどうか大切に育ててくださいね。
ご相談・お見積りは無料です!まずはお気軽にお電話ください。メールでも受付ております!樹木の植付け・植替えは市川造園へ!フリーダイヤルは0120-031-071、メールはichikawazouen28@yahoo.co.jpまでどうぞ!【営業時間…8時〜18時】
今月のテーマは、お庭の香りに癒される・・・そんな素敵なフレグラントガーデンをご紹介。
「香りの良い樹木」ランキング MY・BEST 5 !!
毎日の暮らしを心地よい香りでそっと優しく包んでくれるフレグラントガーデン(よい香りのするお庭)。
好きな香りに包まれてお庭で過ごす時間はとても贅沢なもの。 そんな心地よい香りで癒してくれる植物って
やっぱりすごいですね。 そこで今回はフレグラントガーデンにおすすめの樹木を5つ選んでみました。

香り、花色ともにウットリさせられる。
四季咲きのバラの中でも、春に咲くほうが
ボリューム感があり多彩です。
●落葉性の低木
●花期:5〜6月
●樹高:1m以上




遠くからでもその良い香りが流れてくる。

秋に一面に細かいオレンジ色のとても良い香りの花をたくさんつけます。 ●常緑小高木 ●花期:10月 ●樹高:4〜6m以上


この香りに出会うと春の到来を感じる。

春早く、濃厚な甘い香りの花が咲き、この香りが春の訪れをイメージさせるほどです。 ●常緑低木 ●花期:3〜4月 ●樹高:1〜1.5m


あたり一面に甘い香りを漂わせる初夏の草木。

初夏の花木で、6月ごろ甘い香りのする白い花を咲かせ楽しませてくれます。 ●常緑低木 ●花期:6〜7月 ●樹高:1.5〜3m


そばを通るだけで上品な甘い香りが漂う。

真冬に満開の花を咲かせる数少ない花木。 上品な甘い香りの花が特徴です。 ●落葉低木 ●花期:1〜2月 ●樹高:2〜5m

そよ風が甘い上品な香りを運んでくるお庭…、素敵でいいですね。
